女性「9条の会」ニュース32 号 2015 年1 月号
 
1面

 「新制中学一年生」と新しい憲法と初恋
    
         

線路は続くよどこまでも・・・
 私は電車の一番前の窓のところに立つのが好きです。
 そして窓に貼りつく様に立って、ずんずんと広け行く景色を眺めるのが・・・。
 時々、運転手席から「スピード ヨーシ!」
 などと、大きな指呼する声が聞こえてきます。帰路、新宿駅から乗る電車の前を遮るものも無く、真正面に見える山々の間から富士山の頂が見えます。
 そんな或る日、中学校の同窓会でその沿線の街に、少女時代のあこがれの君が住んでいた事を知りました。その事を知ってからと云うもの、その駅を通過する度に思わず、ホームの端から端まで目を凝らしてしまいます。
 私が疎開して住んでいた島は、麦と芋しか取れないところで、産業はなく、若者たちがアメリカやフィリピンに出稼ぎに出る島でした。その男の子は、戦後どういう理由があったのか判りませんが、アメリカから一家で引き揚げて来た二世でした。勉強はできるし、英語はペラペラだし、おまけにスポーツは万能ときていました。ところが二年生になった時、彼の一家は、島から呉の街に移り住みました。そして、高校を卒業すると、羽田の米軍航空隊へと入隊したと聞きました。
 あれから何十年・・・
 少女時代のあこがれの君が、経堂の町に住んでいたことを知ったのは私が孫を抱く様になってからの事です。島の中学校の同窓会でその事を教えてくれた彼女も、きっと彼のファンだったに違いありません。
 私たちは中学校で「新しい憲法のはなし」を習いました。以来日本は戦争の惨禍に見舞われていません。
 子どもや孫たちの代まで、幸せに人間らしく生きて行ける世の中でありますように。
 「憲法九条」を手放してはなりません。 大原 穣子(方言指導・女性「九条の会」呼びかけ人)

 

2面〜4面 

「安倍政権の暴走にSTOP!」の気持ちを込めて九条の会11.24行動に参加しました!

檀上でスピーチをする各地9条の会のみなさん 女性「九条の会」は20名が参加
全国から集まってきた折り鶴 折り鶴を持って報告する関千枝子さん



  全国に七千余ある「九条の会」は各地域、分野でそれぞれが憲法九条を守る活動を続けている。年一度の交流会はあっても一斉行動を起こしたことはなかった。
 アピールから一〇年目にあたる昨年、全国統一の行動を是非にという声があがったのは、「集団的自衛権行使」の閣議決定や、「特定秘密保護法」の発効が間近という危機感があってのことである。この夏から数回、東京と近郊の「九条の会」で準備会をもち、一〇月を各会の活動の月とし、一一月二四日にはその結果をもって日比谷に集うと決まった。
 九月に「TPP問題」の学習を入れていた私たちは、続けてイベントを持つことは断念し、「一一・二四行動」に取り組むことにした。発会時のリレートーク以来の野外行動である。ニュースで参加を呼びかけると同時に、遠方の方は「おりづる」での参加もありと付け加えたところ、送られてきた「おりづる」は一三〇〇羽にのぼった。
 二四日、晩秋にしては穏やかな日、事務局メンバーはそれぞれの役目分担の場所へ。パレード担当の3人はオーロラヴィジョンの前に陣取り、前日までに終わらなかった折鶴に糸を通す作業を始めた。きちんと折ったもの、ふんわりしたもの、折り手の性格がわかるなあなどと思いながらひたすら針を通す。目の前の画面では、非戦を選ぶ演劇人の会が「9条を好きと言えなくなって・・・」を朗読。折しも衆議院解散決定とあって、奥平康弘さんが「アベノミクスを問う選挙とは驚きだ、今我々の政治的努力が問われている」と話し、澤地久枝さんは「夜も寝ないで考えた、安倍内閣に反対の一点で戦えないか」と訴えた。次いで一〇団体が活動報告をする。女性「九条の会」は世話人の関千枝子さんが、各地方での女性たちの活動を紹介し、今日は全国の仲間の祈りを込めた折鶴を胸にかけて歩くと話した。
 自分たちで工夫を凝らしたゼッケンには「九条は世界の宝」「九条世界にはばたけ」などの文字。この日のために用意した女性「九条の会」のシンボルマークの幟の下に集ったのは二〇人ほどであったが、東北や甲府、逗子からの参加もあって嬉しい。「子どもらに戦争をする国は残せない」のおりづるを飾った横断幕には沢山のカメラが向けられる。「集団的自衛権反対!」
「憲法九条を守れ!」などとシュピレヒコールしながら、パレード参加者三〇〇〇人の中の私たちの二〇人は一三〇〇羽の鶴と共に銀座を通り、東京駅八重洲の約二キロを歩ききった。休日の舗道を歩く若者たちのこころに届くものがあることを願いながら。

■関千枝子さんの檀上挨拶 「全国の女たちの思いをになって」
            
 女性「九条の会」は、全国各地で頑張っております。
 報告が寄せられてきたものの中からいくつかを紹介します(高知、石垣島、神奈川などの取り組みを紹介。別項参照)
・高知女性「九条の会」─誕生九年の会を行い、沖縄の状況を聞き、沖縄との連帯を深めました。高知県内の戦争遺跡を訪ねる平和ツ アーも続けております。
・「いしがき女性9条の会」─署名集めを年間を通じておこない、街頭アピールを五月に二回おこないました。
・神奈川女性─「九条の会」は「ILOVE 九条]の文字を花で囲む
〝ぬり絵をぬってパレードに参加を〟と呼びかけています。
 女性「九条の会」は地方在住者や高齢者が多く、パレードに、〝あなたの代わりに「鶴の参加」を〟と折り鶴を折って送って下さいと呼びかけてみました。そうしたら一三〇〇羽もの折り鶴が送られてきたのです。一人で八二羽折ってくださった方もあり、仲間たちと話し合いながら一〇〇羽を送ってくださった方もあります。
 沖縄の賛同者からも届きました。
 鶴の羽根には女たちのさまざまな思いが書き込まれています。「9条を守り平和な世界を」「孫が戦場に行くことがないように」「原発はいらない、武器を外国に売らない」「辺野古に基地はいらない」。そして大きく、一字「愛」と、全国の女たちの思いをになって、今日私たちは歩きます。

 

■「憲法9条を守ろう」とアピール ─ いしがき女性9条の会

  いしがき女性9条の会(沖縄県石垣市)は、昨年 一一月九日(日)、「戦争する国づくりを許さず、憲法9条を守ろう」と横断幕を掲げ、街頭でのアピールを行いました。「九条の会」が呼びかけた「集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、今こそ主権者の声を
全国の草の根から」の訴えに応えたものです。
 「憲法9条の平和主義を貫いてきた日本国民にノーベル平和賞を授与しようという大きな動きがあり、世界中から注目されている。そんな中で、憲法9条を破壊し、日本を『戦争する国』に変えてしまう集団的自衛権の行使を容認は立憲主義に反する。みんなで力を合わせて閣議決定にノ―を突きつけ9条を守れの声をさらに大きくしていこう」と呼びかけました。
 行動に参加した市民の一人は、 「会員ではないが黙ってはいられないとい う気持ちで一緒に行動した。
 一人でも多くの市民が9条を守る事に賛同してほしい」と語っています。

 

■国の2014年はこんな活動をしました ─女性「九条の会」高知

・三八街宣行動 三月八日 
 国際女性デー実行委員会の集会・デモと合同で行いました。ミモザの枝とチラシと風船を配布しながらの行進でしたが、道行く人が少なく、最後のひろめ市場前での活動が主となりました。
・南国・香南平和ツアー 五月一五日(木)参加二八名。
 一四年度の平和の旅は、五月に南国市・香南市の戦跡を訪れました。アメリカの資料公開の期限ギレで、資料を基に次々と戦跡が発見されており、その一つである陸軍通信所跡には団体として初めて入りました。ガイドの松村さんのユーモアあふれるガイドに参加者一同引き込まれ、参加者間でも話が弾み、深く学びあうことができました。
・九周年のつどい 一〇月四日。県立大学。参加一〇〇名。
 九周年のつどいでは、沖縄女性九条の会の赤嶺さんに講演に来ていただきました。二年前に女性「九条の会」高知が沖縄平和ツアーに行った時、沖縄の女性9条の会と夜、懇親会を持ちましたが、その縁で実現しました。
 九月六日には、赤嶺さんに沖縄から来ていただくために旅費を稼ごうと、一日だけの作品展とバザーを持ち、憲法カフェも開催しました。弁護士さんを囲んで、各地の9条の会の取り組みの教訓などが忙しく飛び交う活発な話し合いとなりました。
 第二弾として一一月にも憲法カフェを開くことができました。


■ピースパレードを開催 ─ 宮城女性九条の会


 宮城女性九条の会は県内七百人近い賛同会員と共に今年で十周年を迎えました。
 十一年前、加藤周一さん大江健三郎さんたちが平和の危機を予見して行動された波動が広がり続けて、九条改悪に立ち向かう現実の力になっていることに改めて感銘と感謝をおぼえています。
 昨年私たちは安倍政権の度重なる民意無視と国民を騙す虚構の説明に「もう黙ってはいられない」と行動を起こしました。戦争を体験され、今年九十二才になられる戸枝代表を中心に「再び戦争への道は歩まない」決意で、県内女性に平和集会を呼びかけ、実行委員会を組織して四百人の集会とピースパレードを開催し、市民に平和を訴えました。
 今や安倍政権は、はっきりと改憲を口にするようになりました。ならば私たちも憲法学習でさらに足腰を強くし、新鮮味を加えた十周年行事でなかまをふやし、多くの方々と手をつないで平和を守る力を強固にします。

 

レンタルDVDのお知らせ

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 日本国憲法・ドキュメント工房作品)
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送料のみでお貸しします。ご希望の方は女性「九条の会事務局(電話03-6240-0940 FAX03-6240-0941)までご連絡ください